シェラ・デ・コブレの幽霊

ADHDでASDで双極性障害2型で不眠。生きてみよう!

多重人格者と友達だったことがあるのを

すべてがFになる を読んでいて、急に思い出した。
その前にも幽遊白書を読み返したので思い出しても不思議ではなかったのだが、私の中のおじさん及び本体(そんな自分も多重人格みたいないいかたすんな)が世の中で一番原作内で完結してるカップリングである仙水と樹が死ぬほど好きなので、ああ、やっぱりこの二人は最高すぎるな…と思ったので、中学1年のとき数ヶ月お友達だったその人のことはうっすら思い出したかもしれないが、原作の方にひっぱられた。

 

今回はっきり思い出した。

彼女と仲良くなったのは中1の梅雨頃だったかに地元で行われていた小さな同人イベントだった。中2だったかもしれないが、2歳離れた先輩とまだ仲が良かったので(やっぱり高校に入るとなかなか会えなくなってしまっていた気がするし)多分中1。私は本を友達に委託してもらって参加していた。

生意気に中学生でオフセット。数万円だったけれど私が貯金の下ろし方を間違えた(手をつけてはいけない方?を下ろしてしまった)ので結局2万円くらいは親が払うことになってしまった気がする。さすがにその後オフセットの本はなかなか作れなかった(当時は基本的に印刷代は高かったし、少部数に対応もあまりしていなかった)聖闘士星矢の小説とイラストと漫画、ゲストとフリートーク、対談。星矢総受ではあったけどとくにエロいシーンは絵ではなかった。まあそんなことどうでもいいんだけど…。で、小さいイベントで、お客さんの入りは今一つ。千葉には「うきうきまあけっと」という有名イベントがあったのだが、別のイベントだった気もする。
私が中1だとしたら1987年頃なので、うきうきまぁけっと自体も2ヶ月に1回くらいはやっていた。(90年頃がピークで1年に10回もやっていたらしい…)

売り子も特に手伝うほどではないので、サークルを見て歩くけれど、中高生が多くそんなに欲しい本もないし、なにかきっかけで話をした人がいて、本を交換することになった。聞くと高校1年生で、会員制の車田正美全般サークルをやっているという。私は千葉市内の千葉大学の近くに住んでいた。電話番号を交換したのだと思う。

彼女は千葉の内房だか外房だか、千葉駅から更に電車で45分くらいかかるところ、電車が1時間に2本くらいしかないところ…どこだかはっきりおぼえていないのだが、そのあたりに住んでいた。

西千葉駅の前には漫画専門店があって、同人誌委託もしていたし、ノートもあったので入り浸っていて、千葉大の前だったので、自分が学区の中学よりも近く、千葉大には付属中学がある(高校はない)ので、千葉大付属中の子らと仲がよかった。2つ先の稲毛駅には当時駅掲示板におたくが絵を描いたりすることがあったのだけど、一般の人に迷惑がかかるから、とちょっとしたスペースを借りて、ノートと、小さめのコルクボードを設置させてもらっていた。

そこに遊びに来てもらったりして、いろんな人に紹介したり、実は会員の人がいたりで、わりと彼女との縁は太くなった。

イベントも頻繁に行われていたので、もう一度くらいイベントで合っていると思う。

そのうちに夏休みになった。

「うちに遊びに来ない?」とその子に誘われた(名前を思い出せないのは、彼女がたくさんPNを持っていたせいだと思う。でもなんて呼んでいたかも思い出せない)

同じ中学の2個先輩で、2人仲のいい人がいて、そのうち一人(何故か私の親しい人は名前がりえこかりえ(私はりえこです)でかぶることが多い。その先輩もりえこだった)が一緒に行くことになっていた。しかし当日準備をして、先輩がなにかの理由でいけないことになった(先輩は元々病気のため、夏休みのうち2週間は病院にいたのでそのあたりの理由だったと思う)

どうしようかなあ、と思ったけど切符を買ってしまったのか忘れたが一人で行くことになった。今思うと、だけど(だから捏造かもしれない)先輩がなんだか含みのある感じで「気をつけていきなよ」と言ってきた気もする。「全面的に信用できる人じゃない」みたいなことを言ってたような気もする(だから仲はよくても会員制サークルにははいらなかった)

確かに高校1年生なのにオフセットの本をバンバンだしていたし、なんとなく不安定な感じの人ではあったが…。

その日は天候が不安定で、千葉駅で電車の発車が遅れていた。空いている電車にひとりで乗ってかなり不安になった。元々一人でそんなに遠くまで行ったことがなかった。

もう引き返すことはできなかった。

昼過ぎくらいに駅についてテレカで電話をかける。徒歩15分くらいのセブンイレブンまで行けば迎えに来てくれるという。私は方向音痴だし、何度も電話して30分くらいかけてやっと目的のセブンイレブンをみつける。そこから10分ほど歩いたか、彼女の家についた。途中養老乃瀧(飲み屋の)があって、「ここうちがやってるんだよね、だから酒飲み放題なんだよね」と、高校1年生なのにいうので(まあ当時は無法というか確かに未成年でもバンバン飲んではいたけど)「ふーん」と返すしかできなかった。

彼女の家は新しい雰囲気の一軒家だった。

かなり広い部屋を与えられていて(本棚抜きで10畳くらいはあったと思う)壁一覧が本棚になっていた。「うわー!すごい!いいなあ!」と褒めるとガーッと扉を開けて(ウォークインクローゼットの本棚版みたいな感じであった)見せてくれた。
本棚を見ると当時出ていた聖闘士星矢のムック(公式データとかの本で車田先生にお金が入るやつ)が平気で5冊(下手すると10冊くらい)とかある。

「ついつい買っちゃうんだよねえ、車田先生に少しでもお布施したくて」高校一年生の財力ではない、他にも複数持っている本がたくさんあり、本棚にはよく見なかったけどたくさんの本があった。「母親に怒られてんだけどね~」
部屋はとても整理されていて、シングルベッドは女性らしい可愛いもの、タンスも白だか薄い木っぽい色とかで、床はフローリングで「何もない部屋」な感じで以外だった。絵とかも飾ったりしていなかった。窓が出窓になっていてその空間にも大したものは飾られていなかった気がする。彼女がベッドに腰掛け、私が小さいテーブルの向こうの床に座る感じで、彼女の原稿を見せてもらったり、一緒にお絵描きしたりしていたら、突然彼女の顔つきが変わった。急にきつい目をして怒っているように見えた。何か怒らせるようなことをしてしまったのかと焦った。

何をされたかおぼえていない。首をしめられたような気もする。罵声だった気もする。とにかくビクッとするようなことをされた。

「え?え?」と思っていると彼女は突然ベッドに倒れた。

どれくらい経っただろう。彼女は寝てるように見えた。しかたなく一人でお絵かきしているとそのうち(15分くらいだったか?)で彼女は起き上がった。

「あ、ごめん、私寝ちゃってた?」私が知っている彼女の声だった。自分はなんとなくうんともいい難くて適当に笑顔っぽいものとかで帰した気がする。

その後、天気が崩れてきて帰ろうとするがすでに外は普通に傘もさしていられないくらいの大雨になった。とりあえず帰りが遅くなるのを実家に電話させてもらった。お母さんはキツそうな美人で若く見えた。あまり喋ったりしない人だったので「お邪魔させていただいています」「お電話お借りします」くらいの挨拶しかしなかったと思う。

天候は悪くなるばかり。駅までもいけないので車を出してもらうことになった。(電車は一応動いていた)

お母さんが車を出してる最中「私も運転できるんだけどなあ」と彼女がいい出した。私は「???」と思った。高校1年生は運転できる年ではない。
なにかのはずみでみたら運転免許証らしきものを持っている。ちらりと見えただけなので本当だったかはわからなかったが冗談めかして「私証明書複数持ってるんだよね」と言っていた。その時の母親の視線がかなりきつく「コラ!」的に怒られていた気がする。私はキョトンとしていた。あまり母親と仲がいい感じがなかった。

結局彼女も同乗して駅まで車で送ってもらった。社内は静かで、私は何も言えず、外の防風と車が水を切る音を聞いていた。冠水している道路もあり、少し遠回りしたりして20分くらいかかっただろうか、車は無事に駅に着いた。ちょうどいい時間の電車もあった。

「またね」

彼女はにこやかに手をふったので私も振り返したけれど、もうあの家にいくことはないんじゃないかな、なんて予感はした。

 

家に着いたら20時過ぎくらいだったか、向こうの人に迷惑かけたのを怒られたりとかして遅いご飯を食べた。

自室に戻った。どのタイミングか忘れたけど先輩に一人で行かせてごめん、なんかなかった?的なことを聞かれたので「天候悪くなったから先輩いかなくてよかったですよ」とか言ったと思う。

 

その後、千葉大前のコミック専門店で彼女がやってたサークルの会員だった子が来た。2度くらいあったことがある子だった。高校生だったと思う。

「彼女が行方不明になったの、誰か連絡取れる人いないかと思って」

と、言う。
住所も電話番号も知っていた。他に知れることなど当時はなかった。
どこの学校に通っているかも知らない。

「やっぱりそうか…」みたいな感じで会員の子はわりと会員の中でもいろいろまとめ役などやっていたようで「会員全員に連絡取れないから自然消滅かなあ」とため息をついていた。でも、いなくなる前にそろそろ最後の号かも、的なことは言っていたらしい。

 

以上が彼女のことについて知っているすべてだ。
多分だが、彼女は普段からちょっと鬱っぽいときと躁っぽいときがあって、おとなしいときと、歌を機嫌よく歌ったりするときとあった。すでに2人格いたのかもしれない。

そして多分一瞬だけ私の目の前に現れた…多重人格というものがあれば…だが、困った存在、それがひょっとしたら…という私の予想なのだが、18歳以上の免許を持っている本体(性格ではなく人としての)なのではないかと思う。病気のせいで2年遅れで学校に行っているとしてもおかしくはない。

私は人に対するカンが悪いので、おかしな人だとはあまり思ってなかったけど、肌が白く、儚げで、でも痛い発言したり(「血が好き」とか)もしてた気がする。
先輩はその辺のカンがいい人だったので後日彼女がいなくなったと知ったとき「やっぱり」的なことを言っていた。

 

彼女はどうなってしまったのか。

本当に多重人格だったのか。

生きているのか。

 

いまとなってはわからないことだらけだけど。

この文章でさえ何度も治してるくらい記憶もあやふやだけど

 

そんなことがありました。