中3の時、家庭科の授業で義務教育も終わるし自分の生まれたときから今までの記録を本みたいにするというのがありましてね。
自分が産まれたときの状況を知るために母子手帳が必要になりました。
もちろん母に聞きますよね。
「どこやったかなー」
まあここまではよしとして。
無い。
無いそうです。
姉のはありました。小さいころ父親の書斎に詳細に姉が産まれたときの日記をみたこともあります。
「そうかー」
傷つかないわけないじゃないですか。
無いわけないんだからもっと探せよ。っていうか無いんか。
まあへその緒もみたことあるし別にここの家のこどもってことに間違いはないと思うけどそんなことじゃない。
家庭科の授業、白紙のページの多いまま提出することになった。家庭科は女子だけだったので隣のクラスと合同だったけど母子手帳がないなんて家庭、うちしかなかった。
先生が放課後私を職員室に呼び出した。
「仕方ないよね、減点とかなしにしておく」
私は家庭科の授業を舐めていて、私語ばっかりしていたので家庭科の成績は悪かった。
公立高校を受けるために、内申点が悪くなるのは困るのでそう聞いたとき私はへらへらと笑った。先生の机に置かれた他の生徒の生誕記録がまぶしかった。
今考えるとわかるんだけど、うちの母親は私と同じ病気持ちで、多分子育てを一人目で大分飽きていたんじゃないかと思う。
今でも、忘れない。
母のこと嫌いじゃないけど、傷ついたエピソードそのいくつかのうちのひとつでした。
過去にも同じ話してたらすいません。